【愛知県×防災】江南市で東日本大震災語り部防災士が防災研修

私は２０１１年３月１１日、中学１年生の時に東日本大震災を経験しました。

こちらの記事は２０２４年１月９日に愛知県江南市市役所で行われた建設産業委員会と総務委員会の合同研修会「東日本大震災から学ぶ防災対策について」での語り部講演について紹介しながら、防災教育の重要性と「防災教育や防災研修を始めたいけど何から始めたらいいか分からない人」に向けて語り部講演を軸にした防災教育を始める設計が可能になる記事です。

私は２０１１年３月１１日発生の東日本大震災を中学１年生の時に経験をしました。その時は海から５００mも離れていない場所に建っていた中学校にいましたが、日頃の防災教育の積み重ねにより小学生や地域住民を連れて避難することができました。

当時の避難行動を「釜石の奇跡」（※現在は釜石の出来事と呼ばれています）と呼ばれて東日本大震災以降の防災教育で一つの教材として扱われてきました。

防災教育は災害時に生徒の命を守る為の備えであり、保護者や地域住民に対しての信頼問題に関わってきます。

その為、全国の学校では防災教育に取り組んで頂きたいですし、取り組むうえで是非「震災経験者の生の声」を生徒さんに聞かせて欲しいです。

防災教育の意義と背景

日本は地震・津波・豪雨・台風などの自然災害が頻発する国だ。その中で「防災教育」は、単なる知識伝達ではなく、生き抜く力を育む教育として位置づけられている。文部科学省では、防災教育の目的を次のように整理している。 学校防災 学校防災 のための参考資料 のための参考資料 学校防災のための参考資料 「生きる力」を育む防災教育の展開

防災教育がもたらす好影響（効果・成果）

防災教育が正しく実施されれば、学校・地域・個人それぞれにさまざまなプラスの効果が見込まれる。下記は文科省や防災関係資料で指摘されている主な効果を整理したものだ。

個人レベル（児童・生徒）

• 自助行動の促進
  　「自ら命を守る」行動を選ぶ力がつく（例えば、緊急時に安全な場所へ避難する判断など）。
• 危険予測力・判断力の向上
  　災害可能性を予測し、危険な状況を回避する力。
• 防災意識の向上
  　普段の備え（備蓄・避難ルート確認など）を家庭でも実践するようになる。

学校・教育現場レベル

• 質の高い教育プログラム
  　防災内容を教科横断で扱うことで、生徒の理解が深まり、学びとして統合される。
• 安全教育の充実
  　学校防災計画とリンクさせることで、災害発生時の備え・対応体制が強化される。
• 教職員の防災力強化
  　教員自身が防災知識や指導力を養うことで、授業だけでなく学校運営にも反映できる。

地域・社会レベル

• 地域防災力の底上げ
  　子どもが家庭で情報を伝えることで、地域の防災意識向上につながる。
• 協働体制の強化
  　学校・自治体・地域住民が一体となって防災活動を行う土台が整う。
• 災害に強い社会づくり
  　予防・備えが進むことで被害を抑制し、安全な地域社会を築くことができる。

---

防災教育は、知識 → 判断 → 行動 → 協働という一連のサイクルを育てる教育です。
このサイクルを通じて、子どもたちが災害と真正面に向き合い、自ら守れる力を身に付け、さらに地域を支える存在になっていくことが理想とされています。

語り部の内容

講演の概要

愛知県江南市は、濃尾平野の北部に位置し、比較的内陸にあるため「南海トラフ地震の影響は小さい」と思われがちです。たしかに震源からの距離はありますが、油断はできません。想定では震度6弱〜6強の強い揺れが予測されており、建物倒壊や液状化、火災などの被害が懸念されています。特に市内には木曽川・五条川などの河川が流れ、地盤が柔らかい低地が多いため、長時間の揺れによる地盤沈下や液状化の発生リスクが高い地域です。

また、江南市を語るうえで欠かせないのが木曽川の存在です。市の西側を流れる木曽川は、東海地方を代表する大河で、愛知・岐阜両県の県境を形成しています。南海トラフ地震のような超巨大地震が起きた場合、上流域にあるダムの損傷や決壊が連鎖的に発生する恐れがあります。もし複数のダムが被害を受けた場合、放流や決壊により下流の木曽川が一気に増水し、まるで津波のような勢いで氾濫する可能性も指摘されています。これは「ダム津波」とも呼ばれ、短時間で急激に水位が上昇するため、避難が遅れると命の危険に直結します。

実際、江南市の洪水ハザードマップでは、木曽川が氾濫した際に最大5メートル以上の浸水が想定されている地域もあります。特に赤童子町・南山町・高屋町・古知野町などの平地では、地震後の堤防損傷や河川の越水により、広範囲の冠水が発生する恐れがあります。木曽川の氾濫は一度始まると、排水に時間がかかるため、長期間にわたる停電や断水、孤立にも注意が必要です。

さらに、江南市は住宅密集地が多く、道路が狭い地域も点在しています。もし火災が発生すると、延焼や避難の妨げとなる危険があります。木造家屋が多い地区では、耐震化や防火対策の強化が欠かせません。

一方で、江南市は内陸に位置しているため、津波の直接的な影響はありません。しかし、沿岸部の被災により物流やライフラインの停止が長引く恐れがあり、食料・水・燃料の備蓄は特に重要になります。最低でも「家族3日分」、できれば「1週間分」の備蓄を目安にしましょう。

災害は「自分の地域では起きない」と思っている場所ほど被害が大きくなります。江南市は、津波こそ来ませんが、木曽川の氾濫や液状化、火災、そしてインフラ停止による“間接的被害”が大きなリスクです。日頃からハザードマップで自宅の浸水想定を確認し、避難所へのルートを複数確保しておくことが大切です。

南海トラフ地震は、愛知県全域に影響を及ぼすといわれています。江南市も例外ではありません。
「木曽川が守ってくれる街」ではなく、「木曽川とともに備える街」。この意識を地域全体で共有することが、次の災害で命を守る最大のカギになるはずです。

「釜石の奇跡」の語り部を聞いた参加者の反応は？

など多くの声を頂きました。

その中でやはり多かった内容は「経験者目線で自分達の町のリスク評価をしてもらえて新しい発見だった」
という感想です。

私自身が他の語り部の人達と違いがあると言えばこの点だと思っています。

東日本大震災の経験談×経験したからこそ危険と感じる「現地の地域リスク」の解説を行う唯一無二の震災語り部を行っております！

参加者の反応・感想

私と一緒に写っている方は釜石東中時代に一緒に被災して避難をした当時の副担任だった糸日谷先生(現SmartSapuraiVision特別講師)です。

初めて当時の先生と生徒という関係でのコンビ語り部を行いました。

先生だからこそ携わっていた釜石市の防災教育の事情や取り組みの裏側などを話して下さって私も凄く勉強になりました。「いつか一緒に出来たらいいね」と言って頂いて新年早々に目標を達成することが出来て良いスタートを切ることが出来たました。

先生×生徒目線の「釜石の奇跡」の語り部を聞きたい方はお問い合わせページか下記のリンク先から申し込み願います。

語り部講演依頼について

私の経歴や講演歴などについては上記の運営者情報を参照願います。

メディアへの出演も経験あります。上記の動画以外にもYouTubeに上がっています。