
私は2011年3月11日、中学1年生の時に東日本大震災を経験しました。
こちらの記事は2023年11月3日に愛知県名古屋市港区メイカーズピアで開催された「こども万博in愛知」というイベントの防災ステージで行われた語り部講演について紹介しながら、防災教育の重要性と「防災教育や防災研修を始めたいけど何から始めたらいいか分からない人」に向けて語り部講演を軸にした防災教育を始める設計が可能になる記事です。

私は2011年3月11日発生の東日本大震災を中学1年生の時に経験をしました。その時は海から500mも離れていない場所に建っていた中学校にいましたが、日頃の防災教育の積み重ねにより小学生や地域住民を連れて避難することができました。
当時の避難行動を「釜石の奇跡」(※現在は釜石の出来事と呼ばれています)と呼ばれて東日本大震災以降の防災教育で一つの教材として扱われてきました。
防災教育は災害時に生徒の命を守る為の備えであり、保護者や地域住民に対しての信頼問題に関わってきます。
その為、全国の学校では防災教育に取り組んで頂きたいですし、取り組むうえで是非「震災経験者の生の声」を生徒さんに聞かせて欲しいです。
防災教育の意義と背景
日本は地震・津波・豪雨・台風などの自然災害が頻発する国だ。その中で「防災教育」は、単なる知識伝達ではなく、生き抜く力を育む教育として位置づけられている。文部科学省では、防災教育の目的を次のように整理している。 学校防災 学校防災 のための参考資料 のための参考資料 学校防災のための参考資料 「生きる力」を育む防災教育の展開
1.災害知識と準備力を備える能力
まず、それぞれの地域で起こりうる災害(そのメカニズム、被害特性)を理解し、それに備える具体的な準備(備蓄、避難経路の確認、危険個所の把握など)を行える能力を育むこと。
2.災害時・事後の生活を支える対応力
災害が発生したとき、自らの安全を確保する行動を選び、また被災後の生活再建に向けて適応する力。被災した後も生き抜くための判断力・実践力が求められる。
3.支える側・地域貢献の意識
被災地支援など地域への貢献や共助の視点も含む。自分だけでなく他者や地域の安全を支える意識を育てることもねらいとされている。
4.災害からの復興・社会構築能力
災害後の復旧・復興に関わる力、安全で安心な社会を再構築する視点も教育内容に含めるべきとされる。
5.防災科学技術・知見を活用する力
最新の防災科学技術や研究成果も取り入れ、単なる昔話ではなく現代の知見を交えて「考える防災」を可能にする。
防災教育がもたらす好影響(効果・成果)
防災教育が正しく実施されれば、学校・地域・個人それぞれにさまざまなプラスの効果が見込まれる。下記は文科省や防災関係資料で指摘されている主な効果を整理したものだ。
個人レベル(児童・生徒)
- 自助行動の促進
「自ら命を守る」行動を選ぶ力がつく(例えば、緊急時に安全な場所へ避難する判断など)。 - 危険予測力・判断力の向上
災害可能性を予測し、危険な状況を回避する力。 - 防災意識の向上
普段の備え(備蓄・避難ルート確認など)を家庭でも実践するようになる。
学校・教育現場レベル
- 質の高い教育プログラム
防災内容を教科横断で扱うことで、生徒の理解が深まり、学びとして統合される。 - 安全教育の充実
学校防災計画とリンクさせることで、災害発生時の備え・対応体制が強化される。 - 教職員の防災力強化
教員自身が防災知識や指導力を養うことで、授業だけでなく学校運営にも反映できる。
地域・社会レベル
- 地域防災力の底上げ
子どもが家庭で情報を伝えることで、地域の防災意識向上につながる。 - 協働体制の強化
学校・自治体・地域住民が一体となって防災活動を行う土台が整う。 - 災害に強い社会づくり
予防・備えが進むことで被害を抑制し、安全な地域社会を築くことができる。
防災教育は、知識 → 判断 → 行動 → 協働という一連のサイクルを育てる教育です。
このサイクルを通じて、子どもたちが災害と真正面に向き合い、自ら守れる力を身に付け、さらに地域を支える存在になっていくことが理想とされています。
語り部の内容

1.当時の防災教育について
釜石東中学校は釜石市鵜住居町にある中学校です。この地域は三陸地震、チリ地震津波など「地震×津波」の被害を昔から受けてきた地域です。しかし、私の親以上の世代からは「大きな堤防を建てたから津波は来ない」と言われてきました。それでも学校、生徒が率先して防災教育を通して地域と交流を図ってきました。その結果として「釜石の奇跡」を起こすことができました。当時の「津波は来ないと言われた上で想定外の津波だったにもかかわらず、全校生徒が避難できた」防災教育をお伝えしました。
2.「釜石の奇跡」について
海とは目と鼻の先に建っていた中学校から、中学生が率先して避難して、近くの小学生と地域住民を含めて600人程が命を守ることができた避難行動のことです。(現在は釜石の出来事と言われています)当時の避難行動の心情や周りの状況、避難行動の選択についてお話しして「自然災害は突然やってくる」ということをお伝えしました。
3.参加型講演について
「釜石の奇跡」と呼ばれる避難行動の中にもそれぞれの生徒で「どっちの行動が正解なのか?」という選択肢を迫られました。当時の選択する場面を生徒に質問して、自分の避難行動を決めてもらう。そしてそれが良かったどうかを考えてもらう「参加型の語り部」を実践しました。
4.命を守る防災について
「防災リュックを備えた」「非常食を備えた」などの防災ももちろん大事ですがそれらは「生き延びた後」の話になります。まずは自分と大切な人の命を守るための防災を心掛けて頂きたいです。命を守った人が話す命を守る為の防災をお話ししました。
講演の概要
実施場所:愛知県名古屋市港区メイカーズピア
イベント名:こども万博in愛知2023
対象学年:全年齢
参加人数:ステージ会場内に150名程
実施時間:語り部20分
実施内容:語り部
名古屋市港区は、名古屋市の中でも最も南海トラフ地震の影響を強く受ける地域といわれています。太平洋に面し、名古屋港や臨海工業地帯を抱えるこのエリアは、震源域に近く、最大震度7の強い揺れと10メートルを超える津波が想定されています。国や名古屋市の被害想定によると、区の南部では津波が地震発生から最短90分以内に到達する可能性があり、早期の避難判断が命を左右します。
港区の地盤はもともと埋立地や軟弱地盤が多く、地震時には液状化現象が発生しやすい場所です。液状化によって道路が波打ったり、マンホールが浮き上がったり、建物が傾いたりするおそれがあります。特に港区南部の潮見町や金城ふ頭周辺は、過去の地震でも液状化が確認されたエリアで、建物の耐震補強や地盤改良が今後の課題です。
もう一つ深刻なのが津波と高潮の複合被害です。港区では南海トラフ地震に伴う津波が、名古屋港や庄内川、日光川を遡上して浸水する恐れがあり、場所によっては浸水深が5メートル以上にもなると想定されています。低地が広がるため、一度水が入ると排水が難しく、長期間の冠水が続く可能性もあります。これに加えて、津波で護岸や防潮堤が損壊すると、高潮被害が拡大するリスクも考えられています。
さらに、港区には石油コンビナートや物流施設、工場が密集しており、地震による火災や爆発事故、危険物の流出など二次災害の危険性も非常に高い地域です。もし火災が同時多発的に発生した場合、道路の損壊や冠水によって消防活動が難航する恐れがあります。
一方で、港区には多くの人が働き、またレジャー施設も多く存在するため、昼間人口が多いという特徴も。発災時に自宅から離れた場所で被災する可能性が高く、職場や通勤経路での「一時避難場所」をあらかじめ確認しておくことが大切です。
ただし、希望の光もあります。名古屋市は南海トラフ地震を見据えて、港区内の防潮堤や水門の強化、避難ビルの整備を進めています。また、「名古屋市津波避難マップ」では津波到達時間や浸水深が細かく示されており、どの地域が危険なのか一目で分かります。
港区に住む方は、まずこのマップを見て「どこまで水が来るか」「どの高台・避難ビルに逃げるか」を家族で話し合うことから始めましょう。そして、防災バッグや携帯ラジオ、懐中電灯などを備え、“その日が来ても慌てない準備”を日常に取り入れることが命を守る第一歩です。
港区はリスクが高い分、対策をしっかりすれば助かる可能性も大きい地域です。
「揺れたらすぐに高い場所へ」――この一言を、家族や友人と共有しておくことが何よりの防災です。
「釜石の奇跡」の語り部を聞いた参加者の反応は?

・被災経験がある人の生の声を聞く機会は滅多にないから聞けて良かった
・中学生の時に経験して辛いはずなのに、大人になってから伝える側になろうとしたことが凄い
・東日本大震災では予想を遥かに超えた被害があったことを知れて、ハザードマップ通りにはいかないと知れた
・今、地震が起きたら逃げれるか不安になった
・港区は危険な地域なことを再認識する機会になった
など多くの声を頂きました。
今回は語り部の時間が短くて行えていませんが本来は
語り部地域のリスク評価を経験者目線で行い、自分事として捉えてもらう語り部をしています。
私自身が他の語り部の人達と違いがあると言えばこの点だと思っています。

東日本大震災の経験談×経験したからこそ危険と感じる「現地の地域リスク」の解説を行う唯一無二の震災語り部を行っております!
語り部講演依頼について
私の経歴や講演歴などについては上記の運営者情報を参照願います。
メディアへの出演も経験あります。上記の動画以外にもYouTubeに上がっています。
講演場所について
・学校(小学生高学年、中学生、高校生、教職員対象が多いですが、その以外の学年にも可能です)
・自治体(市町村の役所が開催するセミナーや自主防災組織からの依頼もあります)
・防災研修会(一般社団法人や有志の集まりの方々からの依頼もあります)
・防災イベント(愛知こども万博などのイベント内でも語り部経験があります)
・企業(企業の防災研修の講師としても依頼があります)
その他活動
・避難訓練、避難所運営訓練の支援(生徒と一緒に訓練をしてフィードバックします)
・防災計画の策定支援(学校、企業の防災計画を一緒に考えます)
・ワークショップ(語り部だけではなくグループワークの実施も可能です)

- 学校の防災教育で何から教えたらいいか分からない
- 社員に自然災害を自分事として捉えて欲しい
- 防災イベントで誰を講師に呼んだらいいか分からない
- 実際に経験がある人に防災計画を一緒に考えて欲しい

そのようなお悩みをお持ちの方は下記のお問い合わせページからぜひ気軽にお声がけ下さい!
実際にこのブログのお問い合わせから連絡を頂き、語り部を行った経験があります。
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