防災士が語る避難所運営について

12月1日に愛知県豊山町の新栄地区自主防災組織の方々に対して東日本大震災の語り部活動を行ってきました!

豊山町のハザードマップを見せて、豊山町の懸念点についてもお話ししました。その中で私は東日本大震災でどのように避難することができたのかお話してきました!

聞いて下さった方々全員が頷いて話を聞いて下さって、忘れないようにスライドショーを撮影する方もいらっしゃいました。

語り部の質問で質問タイムで自主防災組織らしく、やっぱり不安になるよなぁっと思う質問が飛んできました!それは・・・

「避難所運営は誰がやるべきですか?」

これは全国の防災自主組織の方々は悩んでいらっしゃると思います。避難所運営は防災組織で運営しなければならないのか?普段関りが無い人達をまとめられるのか?など多くの不安があると思います。

その点について防災士としての観点と東日本大震災の被災者としての経験談を交えてお話ししていきたいと思います。

結果としては「誰が運営を開始してもいい!!」です。

そもそも自主防災組織とは?

「自主防災組織」とは各市町村の中で更に地区ごとで地域住民同士が話し合い、いざという時に避難の呼びかけ・誘導、救出・救助、初期消火、避難所の運営などを行う為に自主的に組織する団体のことです!

つまり回覧板を回し合っている中や、ご近所さん、同じマンションの住民などで「市町村」ではなく「同じ地区」という範囲で形成される組織のことです。

主な活動としては地区での避難訓練、消火訓練や炊き出し訓練、避難所運営訓練などを計画して主催したり、地区防災計画の作成などを行っています。

もしかしたらあなたが知らないだけで自分の住んでいる地区でも自主防災組織が存在しているかもしれません。ポストのチラシや住んでいる市町村の公式サイト等を調べて確認してみてください!

避難所運営は誰がやるべき!?

正解を出すとしたら「誰が運営を開始しても問題ありません!!」

理想は自主防災組織の方々が計画し、訓練も行っているため自主防災組織の方々が運営する方がいいです。もう一つの理由としては「指定避難所の鍵を持っているから」です。

指定避難所は学校だけではなく公民館なども含まれています。公民館や集会所などの場合はそこから近い場所に住んでいる自主防災組織の方に鍵を預けていることが多いです。

そういった理由もある為、自主防災組織の方が避難場所の開場を早く行えてその流れで運営も開始できます。だから理想は地区の自主防災組織の方々が行うことが一番です。

ただ忘れないで欲しいことは「市町村の役場で働く人も自主防災組織の全員が被災者」ということです。

指定された避難所に自主防災組織の方々がいない可能性も十分にあります。そういった場合は誰が避難所を運営するべきなのか。それは「あなた」です

避難所を運営するためには!?

普段から備えていない人でも避難所を運営する上で大事な3ステップを今回お話ししたいと思います!いつ大地震が起きるか分かりません。20代の方ももしかしたら自分が年長者かそうじゃなくても高齢の方々が多い可能性だってあります。そんな人でも避難所を運営するためにまずはこれだけはやって頂きたいことを説明します!

①避難所の安全性の確認

まずは自分達が生活する避難場所の安全性を確認してください。

壁が壊れている場所はないか。

ガラスが割れて危ない場所はないか。

余震などにも耐えられるような状態か。

まずは自分達が安全に過ごせる場所なのかを確認してください。そうじゃない場合は避難者を誘導して行くことが可能な避難場所に向かってください。

②避難所内スペースの明確化

安全性を確認した後に各世帯毎にスペースを設けて待機してもらうように誘導しましょう。最初は出来るだけ皆さん同じ室内で過ごしてもらって落ち着いてから家族同士や顔なじみ同士のスペースなどを設けて下さい。

知らない人同士で同じスペースにされてもストレスが溜まってしまう一方です。

その次は共同スペースの明確化です。トイレ、更衣室、女性専用スペース、ペットスペース、授乳室、感染症患者用の隔離スペースなどが挙げられます。このスペースは避難者の状況を見て決定して下さい。男女の人数比率、年齢層、要配慮者の人数などでスペースの大きさなどが変わってきます。

③役割分担を決める!

次は避難者同士の役割分担です。避難者の中で自主防災組織がいようとも身体に影響がなく動ける人達は役割を担って活動した方が運営はうまく回ります!

例えば・・・

総務班(避難者の受付、名簿作成、ボランティア対応等)

施設管理班(トイレや入浴設備の管理、清掃、避難場所の整理整頓等)

救護班(負傷者の手当や看護、避難者の体調管理、衛星管理、要配慮者の支援等)

食料班(食料、飲料水の管理、必要量の把握、保管等)

その他にもその避難所のニーズによっては増えることがありますが基本的にはこのような割り振りになります。自分のできる事には積極的に活動して下さい。

まとめ

まとめとしては避難所運営は要点さえ抑えれば誰でも出来ます。

私の通っていた中学校は隣町の避難所に避難したけど誰も運営をせずただ座って支援物資を待機している状態だった為、学校の先生と中学生が避難所運営を行いました。

当時はなんの知識や情報も無い中で手探りで運営方法を確立していきました。

最初から完璧に出来るはずがありません。だからこそ避難者全員で協力して安全で安心して暮らせる避難所運営を確立していきましょう。

人に任せるのではなく自分から動いて下さい。

あなたが頑張って活動することで助かる人が必ずいます。

避難所生活をすることがあったときはこの記事を思い返して下さい!

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