自然災害時にペットはどうやって避難する?

今回のテーマは「自然災害の時にペットはどうするか?」です。

このテーマに行きついたきっかけは昨日、名古屋市の高校で語り部活動をしてきましたがかなり多くの方がペット飼っていて「地震が起きた時にペットは一緒に避難できますか?」という質問を多く頂きましたので今回、答えていきたいと思います。

ペットと一緒に避難は可能か?

結果として「避難は可能」です!しかし、可能にする前提条件があります。それは・・・

①自然災害時に飼い主とペットが同じ場所にいること

②飼い主がペットを連れて避難できる状態か

の2つが条件だと私は思っています。

①はそもそもペットの近くにいないと物理的に助ける事や、一緒に連れて避難することが出来ないからです。自宅まで距離があるのに助けに行こうとすると場所によっては自宅に戻る途中で津波の被害に遭う危険性が高まったりします。残念ではありますが災害発生時にペットと離れた距離にいる場合、迎えに行くことで飼い主の命の危険性が高まる場合はオススメしません。ちなみにですが私も小さな亀を飼っていました。ちゃんと毎朝水槽と甲羅を洗ってあげて、餌もあげて可愛がっていましたが、地震が起きて津波が見えた瞬間はペットどころではなかったです。

②は飼い主とペットが同じ空間にいる際に、飼い主がペットを連れて避難することができるかどうかです。一緒に連れて避難することを「同行避難」と言います。

飼い主が同行避難ができる状態かどうかは「飼い主自身が一人の力で避難が可能な状態か」です。

まず自分の命を守ることができないとペットの命を守ることも難しいです。飼い主自身に怪我はないか、障害物はないかなどです。

同行避難した後は避難所で飼い主がペットのお世話をしなければなりません。ペットだけ逃げさせて飼い主はその場で救助を待つなどはしてはいけません。それこそペットの行方も分からず、生存したかも分かりませんし、生存していても避難者に危害を加える可能性もあります。

そのような無責任な選択をしてはいけません。

だからこそ2つの条件が揃って同行避難が可能だと言えます。

ペットは避難所に連れて行けるのか?

この質問もかなり多かったです。「ペットを連れて行くと避難所に入ることを拒否されるというニュースをよく見るのですが・・・」という声もありました。

答えは「ペットを避難所に連れて行っても大丈夫」です

防災士の教本の中でも避難所開設後に直ちに設置すべきものの中に「ペット世話所」が入るくらいです。防災士としてもやはり優先度は高いスペースになります。

やはりペットは動物と言えど「家族」です。その家族が暮らせるスペースは設置するべきだと思います。

ただ、注意すべきなのは同行避難は可能でも「一緒に避難所で生活できるかは別問題になります」

自治体によってはペットの受け入れを拒否する自治体もあります。事前に自分の自治体や歩いて行ける距離にある自治体の避難所はペットの受け入れを認めているのか確認しておきましょう。

避難所で一緒に生活ができるようになっても飼い主の皆さんは普段よりもお世話に気を使いましょう。

避難所には赤ん坊から高齢者、普段と違う環境、もしかしたら犬猫アレルギーを持っている人や、動物自体が苦手という方もいます。普段とは全く違う環境なのでペットもストレスになり、急に吠えたり、威嚇したりする可能性もあります。

また、室内で世話できるか、屋外で世話をするかも分かれてきます。

ペットにとっては非常にストレスですし、もしかたら他の避難者にとってもストレスになってしまいます。

お互いのストレスを出来るだけ減らして避難所生活を送れるように心掛けましょう!

車の中やテントの中でお世話するという方は狭い空間でお世話をするとペットの運動不足にもなりますのでたまには散歩だったり、目の届く範囲で外に出かけるようにしましょう。

ペットと同行避難するためにすべき備えは?

まずは「飼い主とペットの命を守る」ための備えです。

自宅の中では家具の固定です。倒れた家具でペットの身動きが取れなくなる可能性があります。家具の固定はペットだけではなく、小さい子から大人にも大切な備えとなります。

そして一緒に避難所まで散歩してみることです。ペットを連れてどれくらいの時間がかかるのか?ペットをゲージ等に入れて持って避難する際に両手が塞がったら通れないルートなのか?

一度避難所までのルートを散歩することは非常に大切です。歩くと時間がかかったり、意外と道に迷ってしまったり。新しい発見を見つけることができるので是非やって頂きたい備えの一つです!

次は「避難して命を守ることが出来た生活」の備えです。

避難所のペット世話スペースは「他のペット」と共同生活になります。

狂犬病やワクチンの接種、フィラリア等寄生虫の予防、不妊・去勢手術などは必須となってきます。

他の避難者もいるので事前に「待て」など飼い主の指示を聞いたり、人やゲージに慣れさせる等のしつけをする必要があります。

そして備蓄品です。ペットフードや水、ペット用の非常トイレにリードやゲージ、薬などペットが避難所生活で健康に過ごせるように飼い主が備蓄をする必要があります。

まとめ

生物学的に違くても「ペットは家族」です。

ただペットの命を守ることは飼い主の責任です。大切な家族を守る為にも出来る範囲で備えを始めていきましょう。

是非この記事を参考にペットを飼っている家庭で自然災害に対する備え、防災を進めていきましょう!

タイトルとURLをコピーしました